「なんとなくAWS」から卒業。ポンコツITワーカーがクラウドプラクティショナーを1ヶ月で獲った本

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「このEC2インスタンス、t3.microでいいですかね?」──会議中にインフラエンジニアからそう聞かれて、僕は笑顔で「あ、はい、それで」と答えた。何のことか1ミリも分かっていなかった。EC2が何かも、t3.microが何を意味するかも、インスタンスという単語が「実体」という意味であることすら知らなかった。

AWSのコンソールは触ったことがある。S3にファイルをアップロードしたことも、たぶんある。でもそれは「先輩に言われたボタンを押しただけ」であって、理解とは程遠い。サービス名はアルファベットの略語ばかりで、まるで呪文だ。EC2、S3、IAM、VPC、RDS──覚えようとしても脳がフリーズする。そんな「なんとなくAWS」状態に、ずっとコンプレックスを抱えていた。

結論から言うと、僕はAWS認定クラウドプラクティショナー(CLF-C02)を1ヶ月・約50時間の学習で一発合格した。使ったのは参考書2冊とUdemyの模擬試験だけ。この記事では、同じように「雰囲気でAWSを使っているIT系会社員」に向けて、最短合格ルートを全公開する。

📌 この記事のポイント

  • 合格ライン700点/1000点=3割間違えてもOK。完璧を求める試験ではない
  • 初心者の学習時間目安は約40〜60時間。1日1.5〜2時間×1ヶ月で到達可能
  • 参考書は「辞書」、Udemyは「問題演習」。この2軸の組み合わせが最短ルート

結論:AWSの「略語アレルギー」は、1ヶ月の学習で完全に治る

最初に伝えたいのは、クラウドプラクティショナーは「難しい試験」ではないということだ。AWS認定資格の中では最も基礎的なFoundational(基礎)レベルに位置し、エンジニアだけでなく営業やPM、IT業界に転職したばかりの人も対象に設計されている。

試験のスペックはこうだ。問題数は65問、試験時間は90分、合格ラインは1000点満点中700点。つまり約3割は間違えても合格できる。100点を取る必要はない。この事実だけで、だいぶ気が楽になるはずだ。

そして何より、この資格の学習を通じて得られる「AWSの全体像が点と点で繋がる感覚」は想像以上に快感だ。EC2が「仮想サーバー」、S3が「オブジェクトストレージ」、IAMが「アクセス管理」──呪文だったアルファベットが、意味のある単語に変わっていく。勉強を始めて2週間くらいで、インフラエンジニアとの会話が「分かったフリ」から「分かって返す」に変わった瞬間があった。あの体験だけでも、参考書代の元は取れたと思っている。

「動画(Udemy)だけで受かる」は罠? ITワーカーが紙の参考書を買うべき理由

ネットで「クラウドプラクティショナー 勉強法」と検索すると、「Udemyの模擬試験を周回すれば受かる」という情報が大量に出てくる。これは半分正解で、半分間違いだ。

Udemyの模擬試験は確かに必須教材だ。本番に近い形式で問題を解くアウトプットの場として、これに勝る教材はない。ただし、Udemyだけで勉強すると「問題文と答えの丸暗記」に陥りやすい。模擬試験の答えは覚えたけれど、本番で少し角度を変えた問題が出たら太刀打ちできない──というのは、IT資格あるあるの不合格パターンだ。

ここで参考書の出番になる。プログラミング学習に例えるなら、Udemyは「写経(コードを真似して書くこと)」で、参考書は「公式リファレンス」だ。最初から参考書を丸暗記しようとするのはメモリの無駄遣い。参考書は全体像の把握と、模擬試験で間違えた部分を逆引きで確認する「辞書」として使うのが最強の運用法だ。

💡 ポイント

参考書=インプット(全体像の地図)、Udemy=アウトプット(実戦演習)。この2つを組み合わせることで「体系的に学ぶ」と「問題を解ける」の両方が手に入る。どちらか片方だけでは、合格はできても実務で使える知識にならない。

【2026年最新】AWS認定クラウドプラクティショナー 神参考書2選

参考書は2冊だけでいい。「全体像を掴む教科書」と「問題集を兼ねた最新テキスト」。この2冊の役割分担を理解して使えば、他の教材は不要だ。

⚠️ 注意:古い参考書は絶対NG

2023年秋に試験が「CLF-C02」へアップデートされ、セキュリティや新サービスの出題範囲が広がっている。メルカリやブックオフで旧版(CLF-C01対応)を安く買うのは不合格の元。必ず「CLF-C02対応」「改訂第3版」「第2版」などの最新版を選ぶこと。

📗 1冊目:通称「緑本」── 迷ったら絶対にこれ

AWS資格学習におけるド定番の教科書がこれ。出題カテゴリ(クラウドの概念・セキュリティ・テクノロジー・請求と料金)ごとに整理されており、AWSの全体像を掴むのに最適だ。図解が多く、各サービスの説明が「何のために使うのか」という目的ベースで書かれているため、IT未経験者でも読み進められる。僕はこの本を最初の1週間で「小説を読むように」1周した。暗記せず、ただ全体像を頭に入れるだけ。それだけで、その後の模擬試験の理解度が劇的に変わった。

🥇 大本命:全体像を掴む「教科書」
書名 AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー 改訂第3版
著者 山下光洋・海老原寛之
出版社 SBクリエイティブ
価格 ¥2,970(税込)
対応試験 CLF-C02(最新版)
ページ数 約436ページ

AWS資格の「教科書」として圧倒的な定番。出題カテゴリ別に整理された図解が豊富で、初心者が最初の1冊として選ぶなら間違いなくこれ。模擬試験で間違えた箇所を逆引きする「辞書」としても優秀。

📘 2冊目:2026年最新刊 ── テキスト+問題集の一体型

2026年2月に発売されたばかりの最新刊。翔泳社のEXAMPRESSシリーズから出ており、最新の試験傾向とAWSサービス仕様に完全対応している。最大の強みはテキストと問題集が一体型で、章末の確認問題+ダウンロード模試を合わせて計212問を収録していること。1冊で「学ぶ」と「解く」が完結するコスパの良さは、忙しい会社員にとってありがたい。僕は2冊目として、模擬試験の弱点補強に使った。

🥈 最新刊:テキスト&問題集の一体型
書名 AWS教科書 AWS認定クラウドプラクティショナー テキスト&問題集 第2版
著者 煤田弘法・西城俊介
出版社 翔泳社(EXAMPRESS)
価格 ¥2,860(税込)
対応試験 CLF-C02(最新版)
収録問題数 212問(章末問題+ダウンロード模試)

2026年2月発売の最新刊。テキストと問題集が一体型で、1冊の中で「インプット→アウトプット」のサイクルが完結する。AWS実践ツールでハンズオン体験もでき、解像度の高い学習が可能。最新サービス仕様にも完全対応。

2冊の使い分けまとめ

項目 📗 緑本(SBクリエイティブ) 📘 翔泳社 第2版
価格 ¥2,970 ¥2,860
発売時期 2024年3月 2026年2月(最新)
タイプ 教科書型(解説重視) テキスト+問題集一体型
収録問題数 各章末に確認問題 212問(DL模試含む)
おすすめ使い方 第1週に通読 → 辞書として常備 第2〜4週の問題演習+弱点補強
1冊だけ選ぶなら ◎ 初心者の最初の1冊 ◎ 1冊で完結したい人

【完全コピー用】ポンコツITワーカーが1ヶ月で一発合格した「学習ロードマップ」

ここからが本題だ。多くの合格体験記は「この本がおすすめ」「この動画がおすすめ」と教材を並べるだけで、それらをどう組み合わせて、1ヶ月間どういうスケジュールで消化したかというリアルな学習フローが書かれていない。ここでは僕が実際に使った週別のスケジュールをそのまま公開する。

第1週:参考書を「小説のように」1周読む(暗記しない)

最初の1週間は、緑本(SBクリエイティブ)を通読する。ここでの最重要ルールは「暗記しようとしないこと」だ。436ページもある本を1週間で暗記するのは物理的に不可能だし、そもそもその必要がない。目的は「AWSにはこういうサービスがあって、こういう分類になっている」という全体像の地図を頭に入れることだけだ。

通勤電車で30分、昼休みに15分、寝る前に30分。1日1〜1.5時間ペースで読めば、1週間で1周できる。分からない用語が出てきても立ち止まらず、付箋だけ貼って先に進む。この段階では「オンプレミスとクラウドの違い」「責任共有モデルとは何か」「Well-Architected Frameworkの5本柱」あたりが頭に残ればOKだ。

第2〜3週:UdemyやPing-tで「アウトプット」の鬼になる

第2週からは、インプットからアウトプットに完全にシフトする。使うのはUdemyの模擬試験(CLF-C02対応のもの)と、無料学習サイト「Ping-t」だ。ひたすら問題を解いて、解いて、解きまくる。

ポイントは「間違えた問題を記録すること」だ。僕はNotionに「間違えた問題リスト」を作り、問題番号・間違えた理由・正解の要約を3行で書いていた。この「間違いノート」が第4週の弱点補強で効いてくる。模擬試験を2〜3周する頃には、正答率が50%→70%→80%と伸びていくのが実感できるはずだ。合格ラインの700点は、正答率にして約70%。模擬試験で安定して80%を超えるようになれば、本番はほぼ大丈夫だ。

翔泳社の第2版を持っている人は、この期間に章末問題とダウンロード模試も並行して解く。Udemyとは別の角度から問われるので、知識の抜けを発見しやすい。

第4週:間違えた部分だけを「参考書」で逆引きして潰す

最終週は、第2〜3週で作った「間違いノート」の出番だ。間違えた問題のジャンルを洗い出し、参考書の該当ページを逆引きして読み直す。たとえば「S3のストレージクラスの違い」で間違えたなら、緑本のS3の章を開いて、Standard・IA・Glacierの違いを図で確認する。

この「問題を解く→間違える→参考書で確認する→もう一度解く」のサイクルこそが、体系的に学ぶための最短ルートだ。参考書を最初から読み直す必要はない。辞書のように、必要なページだけを引けばいい。ITワーカーなら分かるはずだが、これはまさに「公式リファレンスの使い方」と同じだ。

💡 学習時間の目安

第1週:参考書通読(約10時間)→ 第2〜3週:模擬試験周回(約30時間)→ 第4週:弱点補強(約10時間)= 合計約50時間。平日は通勤+昼休み+寝る前の隙間で1.5時間、土日に3時間ずつ。残業が多い週があっても、土日で巻き返せば十分間に合う。

試験当日に知っておくべきこと

学習法だけでなく、試験そのものについても整理しておこう。受験料は100 USD(日本円で約15,000〜16,500円、為替レートにより変動)と、IT資格としてはやや高額だ。だからこそ一発合格したい。試験はPearson VUEのテストセンター、またはオンライン(自宅受験)で受けられる。

項目 内容
試験名 AWS Certified Cloud Practitioner(CLF-C02)
問題数 65問(択一選択 or 複数選択)
試験時間 90分
合格ライン 700点 / 1000点満点
受験料 100 USD(約15,000〜16,500円税込)
出題範囲 クラウドの概念(26%)、セキュリティ(25%)、テクノロジー(33%)、請求と料金(16%)
受験方法 テストセンター or オンライン(自宅受験)
合格特典 次回AWS試験の50%割引バウチャー

出題範囲を見ると「テクノロジー」が33%と最も大きい。つまりEC2、S3、RDS、Lambda、VPCといった主要サービスの理解が合否を分ける。逆に「請求と料金」は16%なので、ここに時間をかけすぎるのは非効率だ。テクノロジーとセキュリティで58%を占めるこの2分野を重点的に攻めるのが、合格への最短距離だ。

まとめ:基礎資格は「クラウドの共通言語」を手に入れるための最強の投資

クラウドプラクティショナーは「基礎資格」だ。これを持っているからといって転職市場で無双できるわけではない。でも、この資格の学習を通じて手に入る「AWSの共通言語」は、IT業界で働く限り一生使える。インフラエンジニアとの会話、設計ドキュメントの理解、見積もりの妥当性チェック──すべての解像度が上がる。

投資額を計算してみよう。参考書2冊で約5,830円、Udemyの模擬試験がセール時で約1,600円、受験料が約16,500円。合計約24,000円だ。会社にAWS資格手当の制度があれば、月額5,000〜10,000円の手当が出ることも珍しくない。つまり、合格した月から数ヶ月で投資回収できる計算だ。ROIとしてはかなり優秀だと思う。

📝 この記事のまとめ

  • 合格ラインは700点/1000点。3割間違えてもOK。完璧を目指す試験ではない
  • 学習時間の目安は約40〜60時間。1日1.5〜2時間×1ヶ月で到達可能
  • 参考書は「緑本(SBクリエイティブ)」で全体像を掴み、「翔泳社 第2版」で問題演習+弱点補強
  • Udemyの模擬試験を第2〜3週で周回し、間違えた部分を参考書で逆引きするのが最短ルート
  • 古い参考書(CLF-C01対応)は絶対NG。必ずCLF-C02対応の最新版を購入すること
  • 投資約24,000円は、資格手当で数ヶ月回収可能。実務の解像度が上がる一生モノのリターン

以前の僕は、「EC2のインスタンス立てるね」と言われて愛想笑いを浮かべることしかできなかった。今は「S3のストレージクラスはどうします?」「IAMポリシーはもう設定しました?」と自然に返せる。たった1ヶ月の勉強で、エンジニアとの会話のキャッチボールができるようになった。

参考書を1冊開くだけで、その「なんとなくAWS」の状態から卒業できる。まずは緑本を手に取って、通勤電車で最初の1章を読んでみてほしい。呪文にしか見えなかったアルファベットが、意味のある言葉に変わり始める瞬間がきっとある。

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はじめましてshoです。会社員をしながらこのブログを運営しています。ITやAIって難しそうで敬遠されがちですよね。でも実際使ってみると、日常がすごく楽になることを知りました。「分からないから使わない」じゃなくて、「分かれば使える」に変えたい。このブログでは、専門用語なしで、実体験ベースの情報だけをお届けします。ITの良さをもっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。一緒に便利な暮らしを作っていきましょう。

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